2011年11月24日

医 療 を 超 え る 愛 の 力

             白い家フェローシップチャーチ 伝道師 横田玲子(獣医師)

 私が研修医として千葉県で働いていたある日、「先生この犬、車で轢いたんけど、死なないから殺してよ」と一匹の汚いマルチーズが私の目の前に置かれた。しかし、車に轢かれた様子がなかったので、すかさず「大丈夫です。安楽死しなくてもいいですよ」と言った。だが相手も「安楽死してよ」と一歩も譲らない。医 療 を 超 え る 愛 の 力そこに院長登場、「あんたら殺す為に轢いたんなら置いていけ!」。飼い主さんが帰ってすぐに、院長は私に向かって寂しげな声で一言「生かしてやれよ」。何か非常に後味の悪い思いを引きずった。
早速、その子に新しい名前をつけた「ジェジェ」。来院した時のジェジェは、両目失明、栄養失調、腎・肝機能低下、全身皮膚病、起立不能・・・、そして背中には棒などで叩かれた無数の傷跡・・・、ひどい虐待を思わせるものだった。「この子は辛かったなぁ、もう長くは生きないだろう。残された時間がわずかなら、せめて愛されている事を感じて亡くなって欲しい・・・。よし、一緒に暮らそう」と決心し、ジェジェとのふたり暮らしが始じまった。医 療 を 超 え る 愛 の 力早速治療開始、日を追って元気を取り戻していった目の見えないジェジェは、震えながら大きな声で吠え続けた。少し身体に触れてやると落ち着いて眠り、ちょっと離れるとすぐに起き、吠え出し、片時も離れることができなかった。いかに恐れと不安の中で生きていたかが伺える。
 ジェジェは元気になったとは言え、相変わらずガリガリ、ヨレヨレ、マルチーズというより小ヤギという感じ・・・そんなジェジェを沖縄に連れて帰り、母に会わせると、「いったい、この子は何なの」と驚きながらも、その日から母がジェジェの面倒を看る事となった。母は「ママの好きなジェジェ♪ジェジェ♪」と歌作って、楽しそうに歌いながら遊び、我が子の様に話しかけ、毎日々々愛しそうに抱きしめながらお祈りしていた。医 療 を 超 え る 愛 の 力ジェジェは無条件で自分が大切にされている事を体で感じとっていた。その後のジェジェの変化は、医学による治療の粋を超えるものであり、その回復ぶりは小型犬の寿命15歳を全うするまでとなった。
 ジェジェの壊れた命は、目には見えないけれど確かに存在する愛の力によって生かされ、見事に変えられていった。21世紀を迎えた今日の医学でも解明出来ぬ命の問題は、偉大なる神の奇跡そのものであり、すべての命に必要不可欠なものは「愛」に他ならないのだと確信する。



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